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舞台『ジョーカー・ゲーム』という極上のスパイエンタテインメント【前編】

今年のGW、4日間全8公演しか上演されなかった珠玉のスパイエンタテインメント舞台『ジョーカー・ゲーム』をご存知ですか?先日ついに円盤発売しました!待ってましたァ!満を持して感想を書くぞ!ずっと我慢してた!観てほしい。観てほしんです。本当に!!!
一応アニメが原作なので2.5次元のくくりになってはいます。が!座長の鈴木氏も千秋楽挨拶で仰っていましたが、これまでの2.5次元に一石を投じるような、2.5次元作品であって2.5次元作品ではない!そんな舞台でした。大好き。
これから綴る内容はそのほとんどがダイマ成分でつくられています。あと長くなりそうで分けます。こっちはネタバレなしダイマです!!!
 

原作『ジョーカー・ゲーム』とは?

舞台の原作はアニメ版『ジョーカー・ゲーム』です。しかしアニメの原作には小説の『ジョーカー・ゲーム』シリーズ(全4巻)があります。小説は大戦前、戦時中に人知れず暗躍した、日本軍が秘密裏に設立したスパイ養成学校(通称D機関)出身のスパイたちの活動を描くオムニバス作品。わあ、もうこの時点でおもしろそうがカンストしそうですね!?大丈夫です、期待通りおもしろいですから!中編の話もありますが、ほとんどが短編で構成されています。
 
アニメはこの原作を再構成し、原作同様にほとんどが1話完結というオムニバス形式で放送されました。多忙な人もそうでない人もうれしい1話完結!通学・通勤・お昼休みに1話ずつさくっとみれる!すばらしい!つい先日も再放送されていたのですが、舞台を観る前にはアニメを観ておいたほうがより楽しめるかな!?と個人的には思っています。もちろん観て無くても楽しいけど!
 
私はもともとアニメのほうを観ていて、録画したのを繰り返し観るくらいには好きでした。普通におもしろい。そして舞台化が決まってからさらに数回観ました。スパイという特性をキャラデザにも反映させているそうで、CVで判別できるのに(CVはとにかく豪華でメインキャラ全員主人公レベル)、見た目で何人か区別できなくてD機関のメンバーを覚えるのに時間を要しました(鳥頭)それから原作小説も買い揃えて一通り読んだりもしました。
 
原作は必ずしも予習すべき、とまでは思っていないタイプですが、この作品はアニメを観ていても観ていなくても、舞台は最低5回は観たくなるし、そうこうしているうちにアニメも小説もコミカライズも、なんならギャグ路線のドラマCDも知っておきたい!となってしまったので、ジョカステ恐ろしい子ッ!って思っています。絶対そうなるから観て…観て…(ダイマ)
 

徹頭徹尾"スパイエンタテインメント”

公演前

公演期間は4日間と短かったこの作品(通称ジョカステ)ですが、情報解禁から上演後も(なんならいまも)一貫してスパイエンタテインメントとして提供されている点がたまらなく好きです。好き!!!
 
まず当初の情報解禁ではキャストのみが発表され、それからキャスト配役推理が開催されました。アンサンブル以外の13名のキャストの配役を当てろというなかなかの無茶振り。ヒントとして定期的に顔はカットされたキャラビジュアルが提供されたのですが、みんなスーツだから!!!スーツだからわかんないよ!!!とにかくレトロモダン的な現代とは型の違うスーツを着たイケメン(しかし顔は見せてもらえない)は顔が見えずともイケメンだったし、体のパーツからどれが推しくんであるかは判別できて最高に眼福だった!!!しかし、これは「この写真だーれだ?」クイズではない!!!そのクイズに正解しても、配役わかんないから結局意味がない。
 
「真実などはじめから存在しない」というセリフが原作にも劇中にもあるのですが、配役すらも煙に巻いたところからスタートというこのスタンス。ビジュアル解禁の前から、観客たちはスパイの世界を垣間見るという粋な演出が用意されていたのです。(はあああかっこいい)
 
およそ1ヶ月ほど推理期間があり、満を持しての配役&キャラビジュアル解禁。おおおおおお…くっそかっこいい、かっこいいかよ…推し推し推しくんんんんん!!!ジョカゲって、2.5次元映えが本当にしないんです。奇抜な髪色や髪型、青や赤の瞳、テーマカラー、キラキラ衣装…どれもない。なにひとつない。黒髪組はみんな自毛、茶髪組はウィッグだけどいうてもただの茶髪。カラコンなし。衣装は軍服かスーツ。いっちゃえば地味なんですよ。しかし造形の美しい顔ばかりが揃うという最高のキャスティング力で、お披露目されたビジュアルは最高にシックで最高にクールで最高に渋くてかっこよかった。もう最高でしか形容できなくてごめん。マーベラスだったんだ。公式サイト貼るからみてほしい。お願いです。
 

本編

そして迎えた本番。最高だったのは言わずもがな。こちらは長くなるから後述します。演出家は西田氏です。もし彼の作品・演出が地雷じゃないなら、ぜひ観て頂きたいです。観て。もうずっとダイマするので観てください。
 

公演後

惜しまれつつ全8公演の幕が降りました。だけどジョカステはここで終わらない。エンドレス!!!スパイ!!!エンタテインメント!!!
 
それまで写真などを多数アップしてきた公式Twitter,Instagramは、ある日突然謎の文字列を投稿します。暗号です。公式が連日暗号を投下してくるのです。なんということでしょう。私は公演期間が終わってから、カエサル式暗号の読解というスキルを手に入れることになりました。まさかすぎる。暗号解読の知識をつける日がくるなんて思ってもみなかった。人生なにがあるかわからないもんだ。
 
暗号内容はカウントダウンでした。1日1暗号で減っていく数字。ついに「0」になった日、続編の情報解禁でもあるのかと思いきや、甘かった。公式アカウントから、それまでに投稿されたすべての写真が跡形もなく消えたのです。
 
――たった1枚、スパイたちが背中を見せて並んでいる写真だけを残して
 
「スパイは顔の見えない存在」、それがこのD機関におけるスパイの在り方です。公演が終わり、彼らはまた「顔の見えない存在」=後ろ姿になってしまったのです。スパイが存在した痕跡となる証拠=写真をすべて抹消して、まるで彼らが存在していた事実すらあやふやにしてしまう演出。ちなみに公式Twitterアカウントのヘッダーも、首から下の後ろ姿に差し替えられました…。優秀なスパイか…。
 
どうですか!?!?さいっこうに憎い演出ではないですか!?!?エモい!!!いや、消えた瞬間くそ焦りましたけどね!!!あれ?全部保存した?したよね!?漏れアッたらどうしよう、推しくんはすべてカメラロールにいないとだめなのにって焦ったけど!最終的に痺れる演出すぎたから許した。
 
円盤発売まであと1ヶ月というときも、公式はみかか式暗号を使って告知をしてきました。制作側も最高に『ジョーカー・ゲーム』好きなんだろうって思わざるをえない。好感を抱かざるをえない。これほどまでに暗号を駆使した公式、いままで出会ったことがないもの。
 
公演自体は確かに短くて少なかった。でも、それすらもあえての演出なんじゃなかろうか?六本木ブルーシアターにさっと現れて、霧のように儚く消えてしまう。そんな意図まであったのでは!?!?もしや劇場にブルーシアターも選んだのも実は…!?(考え過ぎ)すべてが仕組まれていた気すらしてくる私の頭は、きっとD機関に囚われているんだと思いますが、それほどまでに最高だったのです。
 
チケットは即日完売、千秋楽ライブビューイングもほとんどの劇場が完売となりました。久々に後出しアフターイベントもハイタッチもスペシャルイベントも追加特典付きチケットもない世界を味わいました。イベントもなにもないけど、公式に本番期間以外でこんなに楽しませてもらったことはないっていうくらい楽しませてもらったし、スパイのエンタテインメント性という面白い側面に触れさせてもらった気がします。
 

キャストもとっても豪華!ジョカステバンザイ!

ネタバレなしでこの記事まとめたいので、あとはキャストをご紹介していきます。どのキャストさんも素敵で、なんならアンサンブルの方まで全部紹介したい勢い!やめとくけど!みなさん本当に素敵だったので、愛が偏らないように同じくらいの量でざっとご紹介します。色々書きますが正直本編観てもらったらわかるので、ぜひみて下さい。円盤発売中です。ちなみに1000円上乗せするだけで、最高級Blu-rayになりますのでこちらがおすすめです。
 

三好/鈴木勝吾さん

さいっこうです。スパイにとって重要な(多分)気配を操るということを見事に演技で魅せてくれました。間のとり方、呼吸、いちいちすべてが完璧でした。
 

甘利/山本一慶さん

美しいがすぎる。プレイボーイ感あふれる余裕を含んだ空気感が最高に色男でした。人はあんなにもセクシーに暗号を読み解けるのですね。
 

実井/木戸邑弥さん

テニミュ1stばばあ、まさかの四天公演ぶりでした。人当たりのいい笑顔に潜ませたD機関らしい底の知れぬ微笑み方が最高でした。ぞくっとするやつ。

 

田崎/奥谷知弘さん

見せ場が最高に多くて、個人的に一番スパイの宝箱や~って思った役どころでした。あれはずるい(確信)
 

波多野/松本岳さん

これが初2.5とのこと。SHTは拝見しておりました~。小生意気感あふれる波多野にぴったりな最高に小生意気なお顔でした(すごい褒めてる)

 

神永/才川コージさん

アクションンンンン!!!!!初日一番ナニゴト!?となった演出は、だいたい彼のシーンでした。

 

田切/阿部快征さん

美・少・年。Blu-rayでみたらますます瞳がピュアすぎて、もう目薬のCMしようねってなりました。多分すごいいい子。化け物であるD機関と人間の間の存在。
 

福本/前田剛史さん

口数少ないキャラですが、頼れるおふくろ感がすごく出ていて、包容力系スパイだなって思いました。ペダの件があったので、カテコ挨拶は泣いた。

 

佐久間中尉/大海将一郎さん

お顔が神作画。あの時代に生きる軍人であることを、痛々しいほどに表現していました。飄々と任務をこなすD機関に対し、作品の”感情”の部分を担っている。バクステが別の生き物(褒めてる)
 

ヴォルフ大佐/山﨑雅志さん

佐久間中尉と同じく、作品に人間味をプラスしてくれる存在。別作品ではコミカルな演技を拝見していたので、役者さんのすごさを感じました。
 

武藤大佐/光宣さん

生卵。骨の髄までだめなほうの軍人感すごい。
 

ジョン・ゴードン/オラキオさん

西田さんに投げられたであろうご自身の役割を全力でまっとうされていました。賛否両論のようですが、私はアリ派です!
 

結城中佐/谷口賢志さん

お見事のひとことです。5年ぶりとかに拝見したのですが、最高でした。原作小説発売時からこの役を熱望していたという熱量を、静かな演技のなかに感じました。
 
 
とにかく最高の布陣だったとおもいます。書こうと思ったらそれぞれみなさんについて1記事あげるレベルで書けるのですが、さすっがに長すぎるのでやめました!リクエストあったらやります!でも私の拙い感想を読むより、いますぐ新しいタブを開いてBlu-rayをぽちっとした方が効率的だと思いますので、何卒宜しくお願い致します!!!
 
今度は肝心の本編について、もうどうしようもなく溢れ出るジョカステへの想いをつめこんで書いて参ります。みなさん、ぜひ観てくださいよろしくおねがいいたします!!!(私の記事はみてくださらなくて大丈夫ですので、円盤のほうを、何卒観て下さい!!!)