世界は推しでできている

若手俳優を推しているおたくの独り言墓場

舞台『ジョーカー・ゲーム』をとにかくダイマしたいおたくの感想【後編】


舞台『ジョーカー・ゲーム』ダイマキャンペーン第3弾!!!舞台2幕編ようやく仕上がりました!!!

(お題箱でエールを下さった投稿者さま*1、ありがとうございました!おかげで最後までがんばれました!)

 

ジョカステってなんぞや?という概要はコチラ(ネタバレなし)

ジョカステ1幕の内容をひたすら書きなぐったネタバレありレポートはコチラ

 

今回はこれに続く後編です。正直、後編は言葉で綴るのが非常に難しく、読んでいてなんのこっちゃになるかもしれませんが、そんな方には円盤がとってもおすすめです!こちらの商品、とにかくわかりやすい。おすすめしないわけにはいかない、というほどわかりやすい商品なんですよ。くまとぱんだの拙い文章ではまったく伝わらない魅力が、なんと!いまだけ!すべてつまっている!ダイマは勢いだ!!!

(これ、第1弾で書いた、例の全部画像消した後に1枚残されたやつです。顔の見えない存在…

左から、佐久間中尉、小田切、波多野、実井、三好、甘利、田崎、神永、福本、上段が結城中佐)
 

2幕

あらすじ

アニメ11話「棺」を軸に、オリジナルのシナリオ。小説、アニメはオムニバスで、各機関員は一緒に任務にあたる、ということがない。なんならお互い養成機関を出た後は、どんな任務を誰がしているかなんて知らないんです。

 

でも、観たいじゃない。引き出しが少ないからまともに例えられなくて申し訳ないけど、『オーシャンズ11』的な、アレ。


それを、キャラ崩壊もさせずに実現させたのがこの2幕のオリジナル展開!あのD機関の化け物と称される面々が、ひとつのミッションのために与えられた任務にあたるんですよ!!!もう~~~エンタテインメントが止まらない~~~。


冒頭

いきなりの列車事故の音、張り詰める観客席。

初日、原作のどのエピソードをやるのか分からない我々観客は、1幕の完成度の高さに休憩中も各方面から「やばい」という言葉と、死にかけて泣いている人たちの嗚咽が聞こえていました。そして、2幕の冒頭、緊張感に満ちている客席は、列車事故の音で原作の「棺」が来ることを確信し、空気がピッと張ったのを覚えています。

 

ジョカゲの民、訓練されすぎ、さすがD機関を愛する紳士淑女だ…(どの公演もみなさん最高にマナー素敵で、よく見かける2.5作品観劇マナー問題は少なくとも私の認識するなかでは全くなかったんですよ、すごい…原作のファン層による違いってこういうことかってなりました…だいすきジョカゲ民…)

 

さて、まだ冒頭の列車事故の音って話しかしてない。まずい。
1幕はわりと時系列追って書いたんですが、ちょっともう私の知能指数では2幕は無理だよ~~~となってしまったので、ざっくり、ざっくりでストーリー&見どころ書きますね!!!


いまいち要領得ないと思います。わざとです、そう、わざと(強がり)。中途半端なストーリーを聞かされて、「え?どうなってるの?結局どういう意味?大変だわ!じいや、円盤を買いに街まで行くわよ!」っていう作戦です~!

 

列車事故

この列車事故で、マキという日本人商人が亡くなる。
ドイツ軍のヴォルフ大佐(これまでに100以上のスパイを検挙した凄腕だが、過去に現役スパイだった結城中佐を取り逃がしている、因縁の仲)が調査にあたる。とあるきっかけから、マキという男に、結城中佐に通じるものを感じ、調査を開始する。

 

数ヶ月前のD機関、与えられるミッション

日独伊三国同盟の締結(=WW2開戦)の動きを嗅ぎ取った結城中佐は、これを食い止めるべく、機関員たちに任務を与える。結城中佐は、大戦が起こった場合、この国やべ~~~って見えちゃっていたんですよね。

 

実井&波多野:実井は捕虜として、波多野はユーgントの構成員としてそれぞれ侵入する。解放運動につながる動きを監視する。

甘利:金銭の動向から独・伊間の緊張関係を探る。
福本:日本に残り、陸軍内の動向を探る。ここで福本への任務言い渡しなのに、なぜか田崎が「福本…でいいんですね?」って言うんですけど、これとんでもない伏線。10回観ても自分の解釈が正解か確信がモテナイ、誰か解説して。
田崎:「イタリア軍に捕まってもらう」あまりに直球でひどい任務!!!田崎ィィィィ!!!!
神永:田崎救出ミッション(ここで、神永メイン回の「ロビンソン」を思わせるスリーパーってワードを神永に言わせる粋なはからい、おお神よ)
三好:世界各地に飛びD機関への連絡網をつくる(スパイマスター)、与えられる名前がマキカツヒコ。そうだよ、マキだよ、列車事故の死亡者リストに載ってるマキだよ…。そりゃ鈴木氏も役が決まったときの感想が「あ、死んじゃう人だ」になるよ~~~。

 

とにかく、これらの任務を背負って、各機関員世界に飛ぶわけです。あ~~そろそろ言語化が限界です、難しい。

 

各地で繰り広げられるスパイエンタテインメント


~実井と波多野の場合~

黄色人種として捕虜になっているのが実井で、黄色人種とのハーフだけどギリOKってことで捕える側になっているのが波多野です。

 

捕虜だけど希望を捨てない好青年を演じてナカマを励ますけど、まあどうせみんな死ぬけどなって真っ黒に笑う実井の化け物感が最高に好きです。

 

上官の命令で、波多野は実井をボコボコにするんですが、「やり返さないと嘘くさいでしょ?」っていって、必死なフリで殴り返す実井が最高~です!!!

 

~田崎(仮)の場合~

イタリア軍に捕まる前に、田崎は手品を披露するよ~~~。いいな~~~。てじなーにゃさんが手品指導で入ったガチな手品で、リアル鳩を出します。すごい。鳩といえば田崎、田崎といえば鳩といった認識が原作にもあるので、それを活かした演出なんだと思います。粋~~~!


表向きは手品師の日本人、実はスパイ、という偽のプロフィールをイタリア軍に流して、捕まるようにしてあるので、鳩のあと捕まります。オラキオ氏が扮するイタリア軍尋問官に尋問され、自白剤を打たれ、偽の暗号を日本に流し…スパイのおいしいとこ満載なんですよね。田崎。かっこいい。


田崎は自白する(ふりをする)んですけど、その際に指紋を取られて日本政府に送られるんですが、この人、田崎(仮)なんです。(仮)…。


ぼっこぼこにされながら「これでいい」と最後ににやっと笑む田崎(仮)に、最高にたぎります。

 

~神永の場合~

暗転明け、ステージの空中にロープに片手でしがみつく神永の姿…。2幕でも神永のアクロバットがとにかくすごくて、すごい。語彙力放棄するくらいすごい。でも才川氏ですもん、そりゃすごいですよ。みなさんなんとなく伝わりますよね!?!?


神永の任務は、折を見て田崎(仮)の救出。田崎(仮)が、イタリア軍の指示で日本に偽の暗号を送るように強制された後、神永が仕込んでいた合図をきっかけに田崎(仮)と神永が共闘してイタリア軍を蹴散らし脱出するんですが、見ごたえすごい~~~!

 

~甘利の場合~

伊のスパイと1対1でやりあうのかっこいい。脅し用の銃はもってるけど、「死ぬな殺すな」がモットーのD機関員だから、「殺しはしませんよ」って気絶だけさせるの、もう本当にD機関のスパイ度満点あげちゃう!っていう感じで好きです。


そこで手に入れた暗号を読み解くんですが、美しくセクシー…。屈んで懐中電灯持って暗号解いているだけなのに!すごい画力!これはもう、さすが山本氏だなって思います。


暗号解読しているシーンと次のシーンのつなぎの演出がとってもかっこよかったです。照明がすべて消えて、懐中電灯持った数人が動いて場面転換するんですが、私の大好きなエモ感漂っていてお気に入りでした。1幕でのライターの火を使った演出といい、この光の演出といい、私スキ…。

 

~福本(仮)の場合~

結城中佐の補佐的な位置で日本に残った福本(仮)。陸軍内を混乱させるのに一役かいます(違ったらごめんなさい)

 

軍帽をかぶって、武藤大佐の指示で(すでに福本が入手している)資料の捜索(するフリ)をするんですが、その後、あ~まじで軍人ほんとバカだな、みたいな顔して軍帽をセットの後ろに投げ捨てるシーンが2幕の福本で一番すき!!!伝わる!?!?観た人には伝わってほしい!この瞬間!!!

 

~三好(マキカツヒコ)の場合~

2幕冒頭で死んでしまうわけですが、その後はヴォルフ大佐の捜査の過程で、マキとして登場します。マキは、ヴォルフ大佐を除いては、誰も塵ほども疑うところがない、ただの日本からやってきた美術商の青年です。


鈴木氏の演技が、もう本当に、前回も書いたのですがすごいとしかいいようがなくってですね、三好と同等に化け物だな~と(最高級に褒めています)。マキとしての顔、そして身体の向きを変えた瞬間、三好になる。ただの気配の薄い好青年から、異様な空気をまとった得体の知れないスパイに、秒で切り替わる。なんど見ても背筋がゾッとしたし、円盤で観てもゾッとしたので、もうこの先ずっとゾッとすることになりそうです。


事故の回想で、鉄柱が体を貫通しているシーンがあります。ここの、痛みに抗いながらも、スパイとしての最後の任務をまっとうして、最期に清々しい顔で果てる姿は、全世界が三好推しになりそうな演技でした。


絡み合う任務

各機関員たちの共闘が観られるのが、この舞台版の最高に楽しいところです。結城中佐が出した複数のミッションが絡み合っていくさまが、スパイエンタテインメント!!!って叫びたくなる。

 

甘利が暗号を解いたことで、田崎(仮)と神永はイタリア軍から脱出する。
マキの死を聞いてベルリンに乗り込む結城中佐と福本(仮)。
福本は波多野に銃殺されそうになる実井をスナイパーして阻止。
甘利はgットーに向かって、大型火器(これ楽しすぎるから円盤観てほしい)で実井を救出。
捕虜たちの反乱の騒動に乗じて、波多野も周囲を騙しながら脱出。

 

という、これでもかというオリジナル展開をもりもりにしているのに、物語を破綻させずに、原作の「棺」に収束させる脚本がすごい。

 

「棺」に沿った部分では、必死にマキとその背後にいる結城中佐を追いかけるヴォルフ大佐と、指先をかすめるような僅かなタイミングでそこから逃れる結城中佐との攻防が手に汗握ります。ヴォルフ大佐ももうめちゃくちゃに優秀。優秀だけど、その一歩先を行く結城中佐と、結城中佐に最高のスパイとしてつくられた最高のスパイ・マキ(三好)。

 

結城中佐がマキの死体と対面して、マキの“最後の仕事”を回収するのですが、このときの鈴木氏の死体としての演技がすごくて、優秀なスパイは死んでから存在感が増すというのを体現しているんです。これは、円盤で観たらより存在感がすごくて、鈴木氏はどんだけ優秀なスパイなんだろう…となりました。


前回から、結城中佐に内在する人間としての愛の深さについて繰り返し触れています。1幕の小田切を送り出すシーン、佐久間さんに声をかけるシーンに続き、三好のまぶたをおろす結城中佐も、とても印象的でした。体温が失われた三好に触れる結城中佐のその指先は、きっととても熱かった。そんな風に思います。


そして、またしても結城中佐に逃げられたヴォルフ大佐が、マキがいかに優秀なスパイかについて語るシーン。最後に、スパイとして誰にもその正体を知られず死んでいったマキに対して、おもむろに軍帽を脱いで敬意を表すんです。このシーンも、山﨑氏のうまさも相まって最高に高まりました。

結局全部高まっている。

 

 

エピローグ

こうして、本名もわからないまま、スパイ・三好が死に、2幕はエピローグを迎えます。


1人、また1人と任務を終えてD機関の面々が、結城中佐と福本の待つ本部へ戻ってきます。みんな、アニメビジュアル意識した立ち姿で帰ってくるので、脳みそが「あ!これ2.5次元だった~!忘れてた!」って2.5次元であることを思い出す仕掛けになっています(そんな意図があるかは知らない)

 

全員が揃ったところで、指紋の種明かし(?)があります。イタリアで田崎というスパイを捕まえたつもりでいるイタリア政府から、田崎の指紋要請がくるが、この場で結城中佐が「田崎」と呼んで返事をしたのは、ずっと結城中佐と一緒に居た福本(仮)。混乱するよね~~。


(私の解釈では、2幕で前山氏が演じていた福本(仮)は、本来の「田崎」で、奥谷氏が演じた田崎(仮)は「福本」となります。個人情報だけか、中身を入れ替えたか、言及がないので分かりませんが、とにかく「田崎」はずっと日本にいたことになります。イタリア軍が田崎(仮)だと思っていた人物は、実は「福本」なので、イタリア政府に言われたとおり「田崎」本人の指紋を提出すれば、どうしたって指紋は一致しない。そんなスパイはいなかったことになるわけです。)


実は1幕のOP、これ示唆してたんですよね…。伏線あったんですよ!!!仕込みすぎ!!!ほかのキャラはそれぞれの特徴を捉えたOPの演出だったのに、福本と田崎は、結城中佐の補佐的な位置に立って、資料をお互いに交換して立ち去っているんですよね。これに気づいてしまった初日のソワレのときの衝撃といったら…。なんてこった…。

 

さあ、話を戻します。三好が欠けたまま、福本(仮)が「生存者全員帰還致しました!」って言うんですが。もう泣いちゃうよ。


2幕冒頭で死んじゃってるし、原作知ってるからわかってたけど、三好いないの泣いちゃう。原作では、それぞれの任務はそれぞれのなかで完結していたから、こうしてみんなで誰かの死を見つめるってなかったんです。「棺」でも、三好は最後までスパイとして生きて、スパイとして死んだっていうしめくくりなんですよ。任務が終わってみんなが戻ってくるっていうのは舞台オリジナルなんです。


さらに、結城中佐が、三好の死ひいてはスパイの死について言及するという、オリジナル展開が続きます。「ヤツが残した情報はこれからも生き続ける」と。え?お客様のなかにハンカチが余ってらっしゃる方はいらっしゃいませんか~???ハンカチ貸してください!足りない!もう胸が熱いよ!!!

 

中央に空いた、三好が本来立つべき場所に当たるピンスポット。誰も照らさない、ピンスポット。


そこに近づいてくる足音。振り返る機関員。響くドア音とやけに大きい軍人の声。


「失礼致します!!!」
あ~~~~~~!!!!!!!!!あ~~~~~~~~~~~~~~~佐久間さん~~~~~~~~~!!!!!
泣いた、完全に泣いた。


1幕で「名誉の戦死を遂げてこい」と戦地に送られた佐久間中尉が、もどってきたんです。これも舞台オリジナルです。原作では、戦地に飛ばされたところで終わっているし、小説の描写でももうそのまま死んでしまった感じしかないんです。


なのに生きてる!!!ジョカステの世界線すごい!!!


再び、スーツを身にまとった佐久間さん、1幕で意識の変わった佐久間さんが、D機関にやってくる。誰も照らさないピンスポットの当たっていた場所に立ち、客席に背中を向け、結城中佐に敬礼をする。


「ただいま帰還致しました!!!」
「馬鹿か貴様」
間髪入れずに返される言葉。そして、静かにゆっくり階段を降りる結城中佐。漂う静寂と、響く結城中佐の杖の音。
「背広姿で敬礼する奴があるか」
き、き、きた~~~~~これ覚えてます!?前回のダイマ記事で書いたじゃないですか!!!覚えてます!?これです!!!

 

嫌々着た背広姿でD機関に出向き、結城中佐に挨拶をするのですが、早々に怒られる。 「馬鹿か貴様、背広姿で敬礼する奴があるか」と。このセリフの使い方と使いどころがとても憎いので、どうか記憶に留めておいてください!!!できれば2幕の記事まで!!!

舞台『ジョーカー・ゲーム』感想というていで綴る愛の叫び【中編】 - 世界は推しでできている

 

そして、このセリフとともに鳴り響くアニメOP曲のイントロ!!!!!!!!!ちょっと!!!!!!!!!!かっこいいがすぎる!!!!!!!!


苦笑いする佐久間中尉(もう、1幕を経てテンプレ軍人だった佐久間さんがとても人間味のある表情をみせるようになっているし、それをD機関員たちに向けていることに対しての尊さが言葉に出来ないけど、私はなんとか言葉にしたい、もどかしい、歩く国語辞典になりたかった)の前を、OPのイントロにあわせて一人ずつ横切っていく機関員たち。


ここ、1幕冒頭のオープニングの演出では、化け物としての機関員と鰯の頭の軍人という構図で、みんな佐久間さんを見下した表情で煙に巻いていたんです。でもエンディングの演出では、1幕を経て佐久間さんを見直したのか、みんな「おかえり」「またポーカーでもして遊びましょうよ、ジョーカー・ゲームで」みたいな、ある種の仲間に向ける表情を見せるし、佐久間さんも柔和に微笑んで、この場所が居心地良さそうにするのもうずる~~~い。


そして本当にエモいアニメOP「REASON TRIANGLE」に乗せて、カーテンコールへ。


予定調和のWカテコの後、中央にひとり残る三好がおもむろに胸ポケットから懐中電灯を取り出して照らすと、セットのアルファベットの文字列のなかから、「JOKER GAME」の文字が浮かび上がって舞台『ジョーカー・ゲーム』が幕を閉じます。最後まで粋でしかなかった…ジョカステ…もう語彙力が限界…。

 

雑記

インタビューやカテコで度々座長が口にしていた、役者という仕事はスパイに通じるものがある、という言葉がとても印象的でした。


そして、こんな素敵な作品に推しくんが出た奇跡!!!ありがとう!!!いや、オーディションでこの役を勝ち取った推しくんがすごいのだけど、期待をもう何百万倍も裏切る素敵な演技を観せてくださってほんとうにありがとうございました。おたくしていると色々あるけれど、あなたを応援していてよかったです、こんな素敵なあなたを応援できていること幸せに感じますって思える瞬間がある。それが、きっとこの先も私がおたくを続ける糧になるんだと思います。

 

そして、長いレポにお付き合い下さったみなさんもありがとうございます!どうせなら、めちゃくちゃ楽しかった特典映像についても、また今度書こうと思います!!!

さあ、みなさん、ジョカステ観よう。

舞台『ジョーカー・ゲーム』2017年5月Zeppブルーシアター六本木にて公演!

 

*1:エールありがとうございました!ふらっと立ち寄ってこれに出会ったのです!?引きが素晴らしいですね!!!バクステもいい意味で心が朽ち果てるので、今度バクステレポも書こうと思うのでぜひ勇気を出して再生してみてください!ただ、寝る前に観ると寝られなくなる(実体験)ので、ご注意を…。今回のも楽しんでいただけたら幸いです!

育児兼業おたくのスケジュール詰め込み術

カテゴリの存続について

このブログ内カテゴリー「おたくと育児」について、その扱いをまだ悩んでいます。正直需要ないだろ~~~と思いつつも、書いている理由は2つです。

ひとつは自分の吐き出し用。ブログ自体そういうものだけど、育児とおたくに関しては特に吐き出したい気持ちが強い傾向があります。孤独感をこじらせているので。

そしてもうひとつは、こういうおたくの仕方もあったりするんですよ~というケーススタディの提示。提示というと仰々しいですね。単に、知ってほしいというか、「そういうのもありなのか」と認知されたいというか。出た!元祖認知厨脳みそ!


主にこの2点を理由に書き上げてみては、ひっそりと公開し、3日に一度は削除してしまおうかと管理ツールを眺めています。そこにネットの海をモーゼのごとく割って颯爽と現れた救世主達!ダダン!各所にとても温かなメッセージを頂戴しました。その節はありがとうございました。
単純なので消すのやめました。もうしばらくはこのブログ内にて、引き続きひっそりと更新していこうと思います。記事数が増えたら、いずれごっそりこのカテゴリだけ別ブログにするとか、なにか考えるかもしれません。ある日突然全部消えたら、凸られたと思ってください(笑うところ)。いや、笑えない。わりとリアルにメンタルぺらぺらなので、そういう事態になったらそういうことです。おしかりの言葉もやわやわふわふわでお伝え下さい。


全能の神・平日マチネ

さて、今回はどういう基準でスケジュールを入れるかについて書こうかなと思います。やっと本題。

はじめましての方に簡単にブログ主のステータスを説明すると、【若手俳優のおたく】【2児の母】【会社員】を装備しているしがないわかはい界隈の村民です。趣味のブログなので推しごとメインで書いていますが、命より大切なのは確実に子どもたちですので、それにまさるものはないです。いちいち注釈をつけていませんが、その点は絶対難攻不落の大前提です。

 

私のスケジュールはまず年度初めに、絶対に推しごとに行けない日が決まります。保育園の行事ですね。これに被っていない場合は、推しごと発表されたら私が頑張れる範囲でチケットを確保します。

 

唐突に始まる、時短ワーキングマザー的行きやすい推しごと日程ランキング~~~!早速結果発表です。

 

1位 平日マチネ
2位 土日公演
最下位 平日ソワレ

 

ランキングにしてみたものの、そもそもの選択肢が少なかった。すぐ見切り発車するタイプです、こんにちは。
では、それぞれ掘り下げていきたいと思います。

 

1位 平日マチネ

まずダントツありがたいのが平日マチネですね!これがある公演は(私的)神公演です!推しくんの出演作でもたまにありますが、毎回あるわけではないので、お願いだから毎日とは言わないから2回くらい平日マチネやって~!!!と思っています。

未就学児2人がいるので、平日は仕事終わりに保育園のお迎えミッションが待っているわけです。平日マチネだとだいたい13時~14時開演くらい。2時間半の公演でも17時前には劇場を出られるので、余韻ゼロで劇場をあとにして電車に飛び乗れば!お迎えにも間に合う!シッターさんも不要!

幸い私の職場は休みを取りやすい社風で(趣味のために新卒採用以降そういう会社を転々としている)、復帰後は幸か不幸か戦力は低めにしか見積もられていないので、私が休みを取れば万事解決するのが、平日マチネパターンです。

 

2位 土日公演

やっぱり楽日は外せないよねー!ということで、楽日が土日に該当する日は入っています。平日マチネがない作品だと、土日しか観られないことも多々あるので、そういうときはマチソワします。

この場合、神様ポジは家族です。家族に感謝しかないです。理解ある趣味の見守り、夫の高い育児スキル、そして子どもたちの寛大な心によって成り立っています。家族に迷惑をかけて出かけることになるのですが、平日は仕事に加え家事育児を苦手ながらも一手に担って奮闘しているので、ごほうびとして許されたい。許してくれる家族に感謝。

ライブやイベントものだと、2daysの土日公演だったりしますよねー。このときはものすごく頭が痛くなります。その前後にほとんど推しごとがなくて、家を開けてないような状況だったら、自分クソだなもう本当終わってるなってイメージの中で自分を何度もアサシンしながら行きます(結局行く)。誘惑に弱すぎるし、諦めるのへたくそすぎて、時々泣いています。でも、推しくん万能薬すぎて!!!結局推しくんの活躍を観て沸いて心持ち肌ツヤ良くなって帰宅すると、明日からまた育児も家事も仕事もがんばろ~~~ってなるので、高い栄養剤飲むより効きます。

 

最下位 平日ソワレ

やっぱり初日は外せないよねー!なのになんで平日ソワレが初日の舞台って多いのかしらー!

各所への調整をたくさんしないといけないのが平日ソワレなので、平日ソワレに入るときが一番大変です。平日ソワレのメリットは仕事を休まなくていい点。デメリットは人手の調達が必要な点ですかね。

幸い、定期的に孫とべったりしたい実母が遠くもない距離にいるので、おうかがいして来てもらえそうなら来てもらいます。こちらも感謝しかありません。子どもたちが言葉での意思疎通できるようになったあたりから、身の回りのこともそれほど手がかからなくなったので、実母にかかる負担も最低限で済んでいます(済んでいるはずです)。実母には実母の暮らしがあるので、ここがダメだったらさすがに諦めます。大事なのは最後まで諦めないこと!!!諦めたら試合終了…!!!

実母含め実家もありがたいことに趣味に理解があるので、ままがリフレッシュするためにも積極的に観劇に行ってらっしゃい!と言ってくれます。おそらくここは天国です。もしくは、私自身前世できっとなにかいいことをしたんだと思います!なんてね!(いつかバチが当たるやつ)

 

こんな感じで、あらゆる手を駆使して、1作品なんとなく3回は入れたらいいな~というスタンスです。え?観終わったあとテンション高めに窓口でチケット増やしてるおたくみたことある!?!?あ、それ私!無理に無理の上塗りをしていくのが好きです。


私が推しごとをできる理由

本当に環境次第だと思います。パートナーが、ひとりで休日に子どもの相手できないパターンとか、休日くらい休ませろよって寝室から出てこないパターンとか、ママいないとぼくちんご飯どうしたらいいのか分かんないよパターンとか。こればっかりは、実際子どもが産まれてみないとわからないもので、見極める術もない。この人!って決めて結婚した方が、実際に子どものいる家庭でどうなっていくかは、もうギャンブルだと思うしかないかもしれないです。


でも、嘘も方便!(唐突に開き直る)

別に推しごとをしに行くっていわずとも、旧友に久々に会うとか、同窓会とか、会社のよくわからない付き合いに駆り出されるだとか!それっぽいこと言って家出てしまうのも手です!(体験者は語る)家を出てしばらくの1人時間をもぎとれば勝ちです、あとひっそりとカバンに忍ばせたチケット持ってればね…(ゲス顔)

最初は数ヶ月に1度、特別なご褒美的な感じで出かけつつ、そうこうしているうちに半強制的にパートナーの育児力もスキルアップしていきます。【ひとりで子どもをみる】という未知の体験が怖いだけなので、回数をこなせばそれほど無理なことじゃないと思い始めるはず…。そして徐々に増やす推しごと…。

少し強引かもしれませんが、これくらいの強行突破をしないと、夜中子供達が寝付いた頃に夫に頼んでコンビニにでかける、このレベルしかなかなか完全にひとりになれる時間ないかもしれません。私はひとり時間のなさに窒息寸前だったので、多少強引でも時間をつくりました。

 

妊娠・出産・育児と、なんだかんだ2~3年は、自分の体もホルモンバランスももろもろゼロというよりマイナスになったり、ぐちゃぐちゃになりました。私はその間、趣味と言える趣味はなくって、家に居ても楽しめるのでひたすら狂ったようにアニメをみていました。当時それはそれで滿足していたし、楽しかったです。


趣味というものに意識が向くということは、余裕がない崖っぷちギリギリな状況から抜け出しつつあるっていうことだと思います。だから、目の前にかわいい子どもがいながらも趣味のことを考えていて、なんて私は母親として罰当たりなんだ~とか、そんな風に自分を追い詰める必要はないと思っています。母親だって人間です。子どもの命をつなぐ・守るという精神を削る生活をすくなくとも1年弱送るんです(もちろんもっと長いスパンで必要ですが、世話をしないと本当に命をつなげない期間を指しています)。ずっと赤ちゃんだけを見つめていた日々からふと顔をあげた先に、好きなものが待っていたらいろんな活力が湧いてくると思うんです。


私は湧いてきました。現実は容赦なく押し寄せる、子どもたちはすごいスピードで成長していく、伴って環境もぐるぐる変わる。溺れそうな現実のなか、まさに“違う世界を観せてくれる”存在が推しくんと、推しくんがみせてくれる世界でした。書き方重苦しいけど、依存はしてないので大丈夫(なにが)

 

別に現場に足繁く通わずとも、円盤や配信で好きな作品を観て、たまーに好きな作品を劇場に観に行って日々の疲労やストレスを昇華させるのも素敵な推しごとだと思います。

為せば成る!!!それを信念に私は日々ほそぼそとおたくをしています。


好きなことを諦めるより、他でしわ寄せが来て大変でも好きなことのために頑張りたい。何倍も労力がかかってしまったとしても、その先で待っている(待ってない)推しくんは最高に最高です!!!

舞台『ジョーカー・ゲーム』感想というていで綴る愛の叫び【中編】

舞台『ジョーカー・ゲーム』の、運営から感じる並々ならぬスパイエンタテインメント性とキャスト紹介は、前回こちらの記事で書かせて頂きました。

舞台『ジョーカー・ゲーム』という極上のスパイエンタテインメント【前編】 - 世界は推しでできている

 

今回はネタバレも含みつつの本編の紹介をしていこうと思います。ただ、ネタバレといっても大枠のあらすじに留めるつもりです。というか、留めざるを得ない。
なぜなら、
・スパイが観客をも騙してくる
・考察が続々とあげられるようなギミックが多い舞台内容だった
・私は特別時代背景について詳しくない
こんな感じなので、もう読み応えのあるレポは諦めて(どなたか宜しくお願い致します)、私はただただ知能指数低い感想文をしたためます。お暇でしたら寄っていってください。
※書いたらまた長くなったので、後編ではなく中編にしました!!!1幕だけの内容です!!!

 

1幕


あらすじ

アニメ1&2話「ジョーカー・ゲーム」に、「XX」「棺」のエピソードを織り交ぜた構成。

 

冒頭

ドイツ語で紡がれる冒頭、結城中佐の拷問回想シーンから始まります。若結城役している谷口さんのかっこよさ…。
ここのシーンが2幕の結城とヴォルフ大佐の因縁につながります。

 

そして登場する軍服の佐久間中尉と武藤大佐。佐久間さんがD機関へ連絡要員として出向くことを命じられます。もうさ、姿勢、発声が軍人で、たいそうつらい。つらい。


嫌々着た背広姿でD機関に出向き、結城中佐に挨拶をするのですが、早々に怒られる。
「馬鹿か貴様、背広姿で敬礼する奴があるか」と。このセリフの使い方と使いどころがとても憎いので、どうか記憶に留めておいてください!!!できれば2幕の記事まで!!!

 

OP

OPが最高にかっこいい。のちにこれぞ西田舞台だと知ったのですが、とにかくエモくかっこいい。
上記の「馬鹿か貴様〜」のセリフ終わりと同時に、アニメEDのイントロが入ってくるの。円盤でもかっこよすぎて地団駄ダンダンしてしまう。そもそもアニメの時点でOPもかっこいいし、楽曲もかっこいいし、私に刺さっていたので、舞台が刺さらないわけがないのですが。

 

各キャラのキーとなる要素をさらりと詰め込んだOPでした。初見では気づかないのですが、このOP内で、すでに2幕での工作活動の伏線や、2幕の展開を暗喩する演出が組み込まれています。気付いた時かっこよくて死ぬかと思いました。*1

 

各キャラは本当に数秒ずつで入れ替わるのですが、その数秒にアニメ観てると「あ~~~~~それ~~~~」ってなるのが詰め込まれているのがすごい。
実井:人当たりのいい笑顔からのガンアクションに漂う底知れぬ腹黒感
波多野:新聞読みながらのアクションで最後に壁にもたれるという小生意気さ
甘利:エアーエマちゃんとエアーフラテ
田切:百合子の写真を眺めて思いを馳せる憂い顔に溢れる人間味
神永:超人アクロバティックウォーク
田崎&福本:ふくせん!!!
三好:三好はもう立っているだけで三好だし、2幕の思わせる襟を握る瞬間はずるい
翻弄される佐久間さんと、余裕綽々の機関員たち、という構図が曲に乗せて表現されていて、機関員たちがトランプ投げ一瞬ではけるところなんかは、ビジュアルが強くてずるい。

 

そしてなんといっても、D機関のなかに一人放り込まれる佐久間中尉の軍人としての在り方の表現の仕方に鳥肌たちました。
OPの終盤、サビにのせて流れる戦闘機の映像とエンジン音。それを眺め、全力で万歳三唱する軍人・佐久間中尉の後ろ姿。
いつかの戦争映画でみたことあるやつです。生身の人間が目の前でそれを魂込めてやっているのを観て、なんだか、ああそういう時代があったことはフィクションではなかったのだな…と身をもって感じました。初日に鳥肌が立ったのを覚えています。

 

D機関とプンスコ佐久間さん

1幕は主に「ジョーカー・ゲーム」のエピソードです。D機関への出向を命じられた佐久間さんが、これまでなんの疑問も持たず信じていた忠誠、信義をD機関のなかで否定され続けます。否定というか、散々小馬鹿にされカモられ、嘲笑されます。佐久間さんはプンスコプンスコしています。かわいいか。

 

あらびとがみの正当性の議論の最中、神聖だと信じて疑わないものを愚弄され、佐久間中尉は刀を抜こうとします(シルエットで刀を抜く軍人が佐久間さんの影として映し出されてかっこいい。某テニスのサムライのよう)が、背広なので帯刀していません。帯刀していれば切っていた。そんな大罪に当たる話を延々としているD機関を、ゴミを見るような目で睨む佐久間さんと、そういう思想が植えつけられてしまっている佐久間さんをいっそ憐れみの眼差しで眺める甘利の表情の対比がすきです。

 

リズミカルポーカー

ポーカーはこのエピソードの肝となる部分です。アニメでは多角的に視点を切り替えることで、そこでの駆け引きを映像にしていましたが、舞台でのポーカーはとっってもスタイリッシュでリズミカルで、アニメよりもさらに佐久間さんを小馬鹿にした展開です。

 

バクステで、このシーンの勝負の流れやリズムをキャストたち自身で考えだしたことを知り大変興奮しました。ここ大好きなんです。人はこんなにもスタイリッシュにポーカーができるのですね。

 

D機関員たち*2はポーカーをしているようで、実際は高度な情報戦を繰り広げるという、頭脳的な遊びをしています。それを彼らは「ジョーカー・ゲーム」と呼んでいます。タイトルきたこれ。

ポーカーをしているように見せかけて、ゲームに参加していないメンツもあらゆるサインを出して情報のやり取りをしているんです。円盤で観ても目が足りないし、なぜポーカー全景映像が特典に入っていないのか!解せぬ!細かく目配せしたり、ちょっとした手の動きがサインになっていたりで、ステージ上全方位で駆け引きがおこなわれているんです。
そんな真相に気づく術もなく、ポーカーで大敗したと思っている佐久間さんの去り際に、思わず「ジョーカー・ゲーム」の種明かしをする小田切。きれいなおめめの小田切は、軍人でも化け物でもなく、このなかで一番人間なんだと思っています。誰よりも愛が深い慈しみの人。キャスティングのひと、天才かな???瞳からピュアな愛が溢れているもの。 

 

この後、イカサマしてたのか!とプンスコな佐久間さんに対して、結城中佐がD機関のスパイのあり方について語ります。その際のD機関たちのライターを使った火の演出と、タバコすぱすぱ(電子タバコまじリアルな)しながらポーカー台片付けるのがカッコいい。


でもそのあとまたみんなで佐久間さんdisるんですよね。散々ポーカーでカモったのに!!!トートロジーだの鰯の頭だの、さすがにかわいそう。佐久間さん怒りでぷるぷるだぞ。
アニメより感情的に佐久間さんが突っかかっていくから、余計いじめられっ子みたいになるのが、かわいいですね。ぷるぷるかわいい。

 

スパイと人間の狭間、小田切

騙されてプンスコしながら、スパイという存在を批判する佐久間さん。「一生誰も愛さずに生きていくことなどできるわけがない、そんなことが出来るのは人でなしだけだ」と。そして、この言葉に己の信念を揺り動かされる小田切

舞台オリジナルのくだりですが、このやりとりはとても好きです。スパイの中に紛れてしまった、スパイになりきれなかった人間小田切の切ない表情だこと…。(おめめがきれいなのはしつこいからもう言わないぞ!おめめきれい!)

 

ここに、平行して「XX」のエピソードを軽く走らせます。小田切が、シュナイダー事件の任務に当たるわけですが、元軍人である小田切は佐久間の言葉が胸に突っかかってしまう。それがのちに、とある決断につながります。
この決断自体は原作通りなのですが、そこへ至るきっかけに、D機関員ではない佐久間の言葉を持ってくるのは本当にうまいな〜そうきたか〜と、一本取られた気分でした。

 

ゴードン邸捜索

そして、ゴードン邸捜索です。憲兵隊として踏み込むことになったD機関の面々。隊長役をしろと言われた佐久間さんが、「踏み込んで証拠がなかったらどうするんだ?」と問うた際に「だってあるんでしょ?証拠」と不敵に笑む三好ずるい、かっこいい。ここの言い方日替わりだったの~~~。もう全部収録されてなくて悲しい。
三好の視線のちょっとした演技が本当に緻密に計算されている感じですごいのです。上手い人(けっして評論家気取りでなく、純粋にうまさに圧倒される)ってこういうお方のことだよな〜〜と、どのシーン見ても思ってしまう。

 

オラキオさん演じるゴードンは緩急の緩担当です。シリアスなシーンではありますが、肩の力を抜くシーンとしてゴードン笑タイムがあります。
特典に日替わり全部入っていましたが、全部ウジ虫見るような目で見つめているし顔の筋肉まったく動かなさい佐久間さんは、本当に軍人なんですね。一方、笑いに弱い神永と波多野よ…とくに神永たいてい憲兵帽の下で口元にやにやしてましたからね!カメラに映ってなくても私知ってる!いつもにやにやしちゃうのかわいくて観てたから!

 

ギャグもありつつ、捜索をするわけですが、ゴードンがスパイである証拠が見つからない!困った!なぜだ!事前に内偵済みで証拠があるって聞いていたのに!佐久間さん大ピンチ!
ここで、聡明な佐久間さんは気づいてしまう。武藤大佐が自分のミスを帳消しにして且つD機関を潰すために、自分を捨て駒に使おうとしたことに。そのためだけに、D機関の連絡要員に任命されたことに。貫いた忠義も、信じた国家も、容易く崩れていく。

それでも軍人である佐久間さんはどこまでも軍人で、約束した以上(三好が勝手に面白半分で宣言しただけだけど)、武士に二言はないとハラキリしようとするのですが、このシーンについてはちょっとやそっとのアドレナリンではないのでもううまく書けません。肩甲骨、背筋、くびれ、血管、ハンコ注射…だ、だめだ、脳が働かない…もう円盤買って観てください(丸投げ)

 

いざ…!というタイミングで、小田切によるハラキリキャンセル*3を受けて、佐久間さんは考えます。これまで妄信的に信じてきたものを、すべて自分の頭で考え直します。
このとき、顔の見えない憲兵役をしていたD機関員たちが、入れ替わり立ち替わり、軍帽をちらりと脱いで佐久間さんとの過去の会話の回想を入れてくるのが、かっこいい。さっとまた軍帽をかぶって闇に紛れていく姿が、こ、これが…D機関のス、スパイ…感すごい。


頭のいい佐久間さんは、真相にたどり着きます。円盤お持ちの方は、何卒「Back of the Imperial portrait!!!」と叫ぶ佐久間さんの英語の発音*4をお聞きください、最高だ。

 

新生佐久間中尉

鰯の頭だった佐久間さんが、ゴードン邸の件を経て、信じるべきものを自分の頭で考える軍人に変わります。一件後の佐久間さんのどこか晴れやかな表情は、下劣な存在と思っていたスパイたちを新たな視点で見つめ直した結果なんだと思います。
言ってしまえば、これまでの佐久間さんは、上官が「スパイは下劣な行為」と言っていたからそう信じていたし、疑いもしなかったわけです。でも実際に、佐久間を陥れようとしたのは上官だったし、スパイたちの言葉をヒントに任務を成功させることができた。

そんな風に考えるようになった佐久間さんだからこそ、報告の際に、武藤大佐に対して序列をわきまえながらも物申すことができたんですよね、きっと。(個人の感想です)

 

三好へかける声からも攻撃性が消え、なんなら薄い笑みまで見せてしまいます。素直か!素直がすぎるぞ!!!またポーカーでカモられちゃうぞ!!!
でも三好もみんなも一目置くような顔をしていたから、今度はきっとポーカーに見せかけたジョーカー・ゲームをみんなで楽しむんでしょう。

 

と、思いきや。武藤大佐の思惑通り動かず、むしろD機関に手柄を渡してしまった佐久間さんは、当然ながら大佐の怒りをかいます。そして戦地行きを命じられます。名誉の戦死を遂げて来い、と。
最後の敬礼が、心を抉ります。軍人として散る覚悟、そこに垣間見える、"駒"ではなく"自ら思考する者"となった故の葛藤と悔しさを浮かべた表情。軍人としては本望であっても、思考する佐久間さんにはどこか納得しきれない。ああつらい、やばい、つらい(思考をやめて言葉を捨てたくまとぱんだ)

 

田切は偽名を捨てる

一方で、佐久間さんに心を動かされた小田切もシュナイダー事件の任務を終えるとD機関を去る決意をします。
結城中佐から偽名ではなく本名を呼ばれると、きれいな瞳(また言っている)に涙を浮かべて敬礼をします。
結城中佐がかける「馬鹿か貴様。背広姿で敬礼する奴があるか」という言葉。もう愛情しかこもっていない。


小説よりもアニメよりも、魔王と称される結城中佐は体温のある人間でした。これはきっと舞台だからこそ。そこにある体温が、けっして結城中佐も機械なんかではなく血の通った人間であると、熱量となってステージ上から語りかけてきました。

 

桜散る道

1幕ラスト、結城中佐と佐久間さんの会話のシーンは、アニメ同様桜吹雪が散っています。
戦地行きの辞令を受けた後の佐久間さんは、さらに憑き物がおちたような顔をしています。そして、結城中佐は佐久間さんをD機関に誘います。
佐久間さんはそれを断り、自分の意志で最後まで軍人であることを選びます。

 

「これより戦地に赴きます」と歩き出す佐久間さんを呼び止め、「武運を祈る」と声をかける結城中佐の慈愛に満ちた表情が、もう。やはり舞台の結城中佐は、とんでもなく愛に満ちた人なんだと思う…。

 

結城中佐のそのセリフとともに入るアニメOPのエモいメロディライン。死んでしまう。桜とともに私も散った。散ったついでにもういっそ踏みつけてくれ。たのむ。息ができない。
初日から楽まで、腰が抜けるほどおもしろく切なく満足度が高くて、毎度、座席で抜け殻が錬成されていました。

 


雑記

1幕はこれにておしまい!原作知らなくてもなんとなく雰囲気と私のテンションだけでも伝わってくれていたらうれしい!いや、できれば円盤買って観てほしいですけども!


アニメのサントラがあの川井憲次氏なんです。アニメサントラだけでもとにかくかっこいいのですが、それを見事に舞台で活用していて!!!こういうところも、アニメ観てからだとより高まるのでやはりアニメもおすすめです。
舞台の後にジョカステロスのハートを抱えたまま、アニメサントラ買い揃えました。そうしたらメインの楽曲ほぼほぼ舞台で使っているから、余計にロスが悪化したことを記しておきます。
ロスはそっとしておくべきでした。傷を抉ってはならない。


文章にはできない衣装、照明、音響、その他すべてが本当に最高でした。とくに照明。照明ひとつ、役者が振り返るだけで、場所と時間を切り替える手法がすごく分かりやすい。たまに(は???これなに???どこでしゃべってんの?)となる舞台にであってイライラするけど、そんな短気にも優しい、伝えたいであろうことを素直に受け取れる作品でした。

 

1幕は出番が偏っていたのですが、2幕はD機関員たちが大活躍するザ!スパイ!アクション!イエイ!なストーリーなので、1幕とはまた全然違った楽しみがあるんです!

ではまた2幕でお会いしましょう…!!!

*1:具体的には2幕の感想記事のほうで触れたいと思います。覚えていられたら

*2:化け物のようなIQを持っている

*3:刀が蹴り飛ばされるのですが、毎回見事な弧を描きすぎてません?

*4:あとポーカーシーンのBet! Call! Raise! も。英会話スキルけっこう高いとかなんとか

舞台『ジョーカー・ゲーム』という極上のスパイエンタテインメント【前編】

今年のGW、4日間全8公演しか上演されなかった珠玉のスパイエンタテインメント舞台『ジョーカー・ゲーム』をご存知ですか?先日ついに円盤発売しました!待ってましたァ!満を持して感想を書くぞ!ずっと我慢してた!観てほしい。観てほしんです。本当に!!!
一応アニメが原作なので2.5次元のくくりになってはいます。が!座長の鈴木氏も千秋楽挨拶で仰っていましたが、これまでの2.5次元に一石を投じるような、2.5次元作品であって2.5次元作品ではない!そんな舞台でした。大好き。
これから綴る内容はそのほとんどがダイマ成分でつくられています。あと長くなりそうで分けます。こっちはネタバレなしダイマです!!!
 

原作『ジョーカー・ゲーム』とは?

舞台の原作はアニメ版『ジョーカー・ゲーム』です。しかしアニメの原作には小説の『ジョーカー・ゲーム』シリーズ(全4巻)があります。小説は大戦前、戦時中に人知れず暗躍した、日本軍が秘密裏に設立したスパイ養成学校(通称D機関)出身のスパイたちの活動を描くオムニバス作品。わあ、もうこの時点でおもしろそうがカンストしそうですね!?大丈夫です、期待通りおもしろいですから!中編の話もありますが、ほとんどが短編で構成されています。
 
アニメはこの原作を再構成し、原作同様にほとんどが1話完結というオムニバス形式で放送されました。多忙な人もそうでない人もうれしい1話完結!通学・通勤・お昼休みに1話ずつさくっとみれる!すばらしい!つい先日も再放送されていたのですが、舞台を観る前にはアニメを観ておいたほうがより楽しめるかな!?と個人的には思っています。もちろん観て無くても楽しいけど!
 
私はもともとアニメのほうを観ていて、録画したのを繰り返し観るくらいには好きでした。普通におもしろい。そして舞台化が決まってからさらに数回観ました。スパイという特性をキャラデザにも反映させているそうで、CVで判別できるのに(CVはとにかく豪華でメインキャラ全員主人公レベル)、見た目で何人か区別できなくてD機関のメンバーを覚えるのに時間を要しました(鳥頭)それから原作小説も買い揃えて一通り読んだりもしました。
 
原作は必ずしも予習すべき、とまでは思っていないタイプですが、この作品はアニメを観ていても観ていなくても、舞台は最低5回は観たくなるし、そうこうしているうちにアニメも小説もコミカライズも、なんならギャグ路線のドラマCDも知っておきたい!となってしまったので、ジョカステ恐ろしい子ッ!って思っています。絶対そうなるから観て…観て…(ダイマ)
 

徹頭徹尾"スパイエンタテインメント”

公演前

公演期間は4日間と短かったこの作品(通称ジョカステ)ですが、情報解禁から上演後も(なんならいまも)一貫してスパイエンタテインメントとして提供されている点がたまらなく好きです。好き!!!
 
まず当初の情報解禁ではキャストのみが発表され、それからキャスト配役推理が開催されました。アンサンブル以外の13名のキャストの配役を当てろというなかなかの無茶振り。ヒントとして定期的に顔はカットされたキャラビジュアルが提供されたのですが、みんなスーツだから!!!スーツだからわかんないよ!!!とにかくレトロモダン的な現代とは型の違うスーツを着たイケメン(しかし顔は見せてもらえない)は顔が見えずともイケメンだったし、体のパーツからどれが推しくんであるかは判別できて最高に眼福だった!!!しかし、これは「この写真だーれだ?」クイズではない!!!そのクイズに正解しても、配役わかんないから結局意味がない。
 
「真実などはじめから存在しない」というセリフが原作にも劇中にもあるのですが、配役すらも煙に巻いたところからスタートというこのスタンス。ビジュアル解禁の前から、観客たちはスパイの世界を垣間見るという粋な演出が用意されていたのです。(はあああかっこいい)
 
およそ1ヶ月ほど推理期間があり、満を持しての配役&キャラビジュアル解禁。おおおおおお…くっそかっこいい、かっこいいかよ…推し推し推しくんんんんん!!!ジョカゲって、2.5次元映えが本当にしないんです。奇抜な髪色や髪型、青や赤の瞳、テーマカラー、キラキラ衣装…どれもない。なにひとつない。黒髪組はみんな自毛、茶髪組はウィッグだけどいうてもただの茶髪。カラコンなし。衣装は軍服かスーツ。いっちゃえば地味なんですよ。しかし造形の美しい顔ばかりが揃うという最高のキャスティング力で、お披露目されたビジュアルは最高にシックで最高にクールで最高に渋くてかっこよかった。もう最高でしか形容できなくてごめん。マーベラスだったんだ。公式サイト貼るからみてほしい。お願いです。
 

本編

そして迎えた本番。最高だったのは言わずもがな。こちらは長くなるから後述します。演出家は西田氏です。もし彼の作品・演出が地雷じゃないなら、ぜひ観て頂きたいです。観て。もうずっとダイマするので観てください。
 

公演後

惜しまれつつ全8公演の幕が降りました。だけどジョカステはここで終わらない。エンドレス!!!スパイ!!!エンタテインメント!!!
 
それまで写真などを多数アップしてきた公式Twitter,Instagramは、ある日突然謎の文字列を投稿します。暗号です。公式が連日暗号を投下してくるのです。なんということでしょう。私は公演期間が終わってから、カエサル式暗号の読解というスキルを手に入れることになりました。まさかすぎる。暗号解読の知識をつける日がくるなんて思ってもみなかった。人生なにがあるかわからないもんだ。
 
暗号内容はカウントダウンでした。1日1暗号で減っていく数字。ついに「0」になった日、続編の情報解禁でもあるのかと思いきや、甘かった。公式アカウントから、それまでに投稿されたすべての写真が跡形もなく消えたのです。
 
――たった1枚、スパイたちが背中を見せて並んでいる写真だけを残して
 
「スパイは顔の見えない存在」、それがこのD機関におけるスパイの在り方です。公演が終わり、彼らはまた「顔の見えない存在」=後ろ姿になってしまったのです。スパイが存在した痕跡となる証拠=写真をすべて抹消して、まるで彼らが存在していた事実すらあやふやにしてしまう演出。ちなみに公式Twitterアカウントのヘッダーも、首から下の後ろ姿に差し替えられました…。優秀なスパイか…。
 
どうですか!?!?さいっこうに憎い演出ではないですか!?!?エモい!!!いや、消えた瞬間くそ焦りましたけどね!!!あれ?全部保存した?したよね!?漏れアッたらどうしよう、推しくんはすべてカメラロールにいないとだめなのにって焦ったけど!最終的に痺れる演出すぎたから許した。
 
円盤発売まであと1ヶ月というときも、公式はみかか式暗号を使って告知をしてきました。制作側も最高に『ジョーカー・ゲーム』好きなんだろうって思わざるをえない。好感を抱かざるをえない。これほどまでに暗号を駆使した公式、いままで出会ったことがないもの。
 
公演自体は確かに短くて少なかった。でも、それすらもあえての演出なんじゃなかろうか?六本木ブルーシアターにさっと現れて、霧のように儚く消えてしまう。そんな意図まであったのでは!?!?もしや劇場にブルーシアターも選んだのも実は…!?(考え過ぎ)すべてが仕組まれていた気すらしてくる私の頭は、きっとD機関に囚われているんだと思いますが、それほどまでに最高だったのです。
 
チケットは即日完売、千秋楽ライブビューイングもほとんどの劇場が完売となりました。久々に後出しアフターイベントもハイタッチもスペシャルイベントも追加特典付きチケットもない世界を味わいました。イベントもなにもないけど、公式に本番期間以外でこんなに楽しませてもらったことはないっていうくらい楽しませてもらったし、スパイのエンタテインメント性という面白い側面に触れさせてもらった気がします。
 

キャストもとっても豪華!ジョカステバンザイ!

ネタバレなしでこの記事まとめたいので、あとはキャストをご紹介していきます。どのキャストさんも素敵で、なんならアンサンブルの方まで全部紹介したい勢い!やめとくけど!みなさん本当に素敵だったので、愛が偏らないように同じくらいの量でざっとご紹介します。色々書きますが正直本編観てもらったらわかるので、ぜひみて下さい。円盤発売中です。ちなみに1000円上乗せするだけで、最高級Blu-rayになりますのでこちらがおすすめです。
 

三好/鈴木勝吾さん

さいっこうです。スパイにとって重要な(多分)気配を操るということを見事に演技で魅せてくれました。間のとり方、呼吸、いちいちすべてが完璧でした。
 

甘利/山本一慶さん

美しいがすぎる。プレイボーイ感あふれる余裕を含んだ空気感が最高に色男でした。人はあんなにもセクシーに暗号を読み解けるのですね。
 

実井/木戸邑弥さん

テニミュ1stばばあ、まさかの四天公演ぶりでした。人当たりのいい笑顔に潜ませたD機関らしい底の知れぬ微笑み方が最高でした。ぞくっとするやつ。

 

田崎/奥谷知弘さん

見せ場が最高に多くて、個人的に一番スパイの宝箱や~って思った役どころでした。あれはずるい(確信)
 

波多野/松本岳さん

これが初2.5とのこと。SHTは拝見しておりました~。小生意気感あふれる波多野にぴったりな最高に小生意気なお顔でした(すごい褒めてる)

 

神永/才川コージさん

アクションンンンン!!!!!初日一番ナニゴト!?となった演出は、だいたい彼のシーンでした。

 

田切/阿部快征さん

美・少・年。Blu-rayでみたらますます瞳がピュアすぎて、もう目薬のCMしようねってなりました。多分すごいいい子。化け物であるD機関と人間の間の存在。
 

福本/前田剛史さん

口数少ないキャラですが、頼れるおふくろ感がすごく出ていて、包容力系スパイだなって思いました。ペダの件があったので、カテコ挨拶は泣いた。

 

佐久間中尉/大海将一郎さん

お顔が神作画。あの時代に生きる軍人であることを、痛々しいほどに表現していました。飄々と任務をこなすD機関に対し、作品の”感情”の部分を担っている。バクステが別の生き物(褒めてる)
 

ヴォルフ大佐/山﨑雅志さん

佐久間中尉と同じく、作品に人間味をプラスしてくれる存在。別作品ではコミカルな演技を拝見していたので、役者さんのすごさを感じました。
 

武藤大佐/光宣さん

生卵。骨の髄までだめなほうの軍人感すごい。
 

ジョン・ゴードン/オラキオさん

西田さんに投げられたであろうご自身の役割を全力でまっとうされていました。賛否両論のようですが、私はアリ派です!
 

結城中佐/谷口賢志さん

お見事のひとことです。5年ぶりとかに拝見したのですが、最高でした。原作小説発売時からこの役を熱望していたという熱量を、静かな演技のなかに感じました。
 
 
とにかく最高の布陣だったとおもいます。書こうと思ったらそれぞれみなさんについて1記事あげるレベルで書けるのですが、さすっがに長すぎるのでやめました!リクエストあったらやります!でも私の拙い感想を読むより、いますぐ新しいタブを開いてBlu-rayをぽちっとした方が効率的だと思いますので、何卒宜しくお願い致します!!!
 
今度は肝心の本編について、もうどうしようもなく溢れ出るジョカステへの想いをつめこんで書いて参ります。みなさん、ぜひ観てくださいよろしくおねがいいたします!!!(私の記事はみてくださらなくて大丈夫ですので、円盤のほうを、何卒観て下さい!!!)

若手俳優おたくは産後どこに行くのか

ワカハイおたくだった者たちがいずれ結婚出産したとして、その人たちはいったいどこへ行くのか。それについてちょっと考えてみました。

 

私生活とオタバ

現場やネットを見ていると、この世にはたくさん若手俳優おたくがいます。若手俳優がこれだけたくさんいるなら、そのおたくの数は俳優の数の何倍もいる計算になる。それなのに、身近なところにはなぜか全然いません。不思議!!!


きっとみなさん擬態がお上手なんですよね。若手俳優おたくに限らないと思いますが、いわゆる“THEおたく感”をおくびにも出さないで、日常は上手に生きてらっしゃる方ってすごく多いと思います。とくに、実際に同じ空間にいることができるような存在のおたくをしていると、物理的に人と人として手を触れ合ったり肩を並べたり言葉を交わす機会もある。推しと呼ぶ存在と!生で!触れ合って!語り合って!しまうんです!(言い方が下品)。そうとなれば、個人差はあれど、それぞれが身なりにも気を遣うことになる。結果、現場では、「見た目は乙女!中身はおたく!その名はわかはいおたく!」のような、かわいらしい方々で溢れたりします。すでに感覚が麻痺してますが、改めてロビーとかを見回すとなんかすごいですよね。全然そうは見えないのに、そこにいる方々ってみんなおたくなんですよ。すごい光景!!!

 

勝手な憶測ですが、見た目からおたく感を一切排除している人は、職場や私生活でオタバレをしていないと思っています。そんなことないですか?


私は自分からオープンには言わないけど、相手が耐性や理解がありそうなら聞かれたらバレてもいい派です。積極的にはオタバレはしませんが、相手によってはまあ別にいいかなっていう保守的オタバレ肯定派です。


子どもができると積極的に関わりたくなくても、最低限のママ同士のコミュニティが発生します(yes!苦行!)。もしなにかのはずみでオタバレしても、同じような趣味の人が見つかればいいな~なんて思っているんですが、まあ見つからない。子どもがいると、話す機会があってもお互い無難に子どもの話しかしないからね!“個人”に行き着かない。“ママ”としての仮面が外れることがないから、個人の趣味という話には全然いかないんです。


もしかしたら、関わっている人のなかには隠れおたくがいるのかもしれない。でもヒントが全然ない!擬態完成度が高すぎる!おたくと一口にいっても様々だし、そのなかでピンポイントで若手俳優おたくを探そうなんて、多分名探偵でも難しいと思います。


かくいう私も、99%くらいの確率でおたくとは思われてないと思うんです。親になって気づいたんですが、親は自然と“ママ”という役を演じるようになるんですね。子ども相手にはそりゃ母性も湧いてきて自然に親だと思いますが、ママ同士で関わる場では自然とママらしさを醸し出すようにふるまっている。おたくを上塗りして一般人にして、一般人にさらに上塗りしてママになっています。趣味での付き合いとは違って半強制的に発生する付き合いなので、付き合うタイプをより好みできません。普通に生きてたら関わらないだろうな~という人とも関わる可能性がある。その際には、おたく時代に培った擬態能力をフルに活用するとなんとか乗り切れます。おたく万能!!!

 

産後、おたくの川を遡上するおたく

リアルな地域の付き合いではそんな感じでのらりくらりと一般人として通していますが、安心してください!ネットの海にはたくさん仲間がいます!


以前の記事で、出産準備品としてTwitterを一押ししているのはそういう部分もあります。育児の疑問や悩み、愚痴を手軽に吐き出せる。さらにおたくからシフトしていまは育児にいそしんでいる戦友に出会えるんですね。


歴戦のおたく達が子どもを産んで、一番しんどい1~2年を乗り越えたあたりから鮭が川を登るように趣味に戻ってきます。年代的に、某テニスの1stシーズンで魂と預金を燃やしたタイプのおたくはけっこういます。いまはなかなか観劇できていません~っていう人も多いですが、古のテニス民は古の記憶を共有できるだけで楽しいので、おたく復帰へのリハビリとしてはそういう交流アリだと思います。


育児って孤独です。保育園や幼稚園へ預けるまでの期間は、本当に密室育児にならざるを得なくて息が詰まる。しかも相手は言葉が通じないうえに、すべての要求を伝える手段が泣く一択な時期が長いし、四六時中世話をしていないと命が危うい。そうなると、まとまった娯楽を享受するのは難しくとも、片手間でTwitterチェックくらいならできる。逆に言うとそれくらいしか出来ない時期もあるけど、そんな時期はまあいつか終わるので!前向きにいきましょう!

 

その後、かつての推しを引き続き推す人もいれば、私のようにデスティニーしてしまって新たに推しとなる人に出会う人もいるでしょう。自宅で通販や配信を駆使して、応援している人の活動に対して対価を払っていたり、なんだかんだ現場にかよっていたり。身近なところにはいなかった若手俳優おたくままも、ネットのなかでは出会えました。海を超えて現場入っていたりする人もいるんですよ。結局は、本人の熱量だなと。子どもの世話を頼む手はずを整えて、家事や仕事を調整して、そこまでしてでも会いたい推しがいるなら、結局おたくは会いにいくんです。それは、結婚してるとかしてないとか、子どもがいるとかいないとか、関係ないなって思っています。

 

子連れ現場について思うこと

子どもをファンサの出汁につかうのは個人的に疑問ですが、子ども自身が興味があって観に行きたいなら、諸々問題なく観劇できる年齢・性格ならアリだと思います(諸々問題なく、というところが重要です。なんでもかんでもアリとはもちろん思ってないです)。ここは、難しい問題ですね。子どもって時点でNGな人もいるかもしれないし、私もかつてはどちらかというとそうでした。が、まあ、自分が子どもできたらそこは甘くなるし、捉え方も多少変わりました。


おたくの子どもは、自然と親の趣味を覚えてしまいます。ひとりでテレビつける時間とかあまりつくれないので、リビングで円盤流したりもします。家の中でよく曲も流れていたりします。そりゃ覚えちゃうよね~~~。舞台やライブというコンテンツをナチュラルに浴びているので、そのうち気に入る可能性だって十分あると思う。同年代の子たちが魔法少女やヒーローにはまるとき、たまたまその対象が親の好きなものになるかもしれない。もちろんならないかもしれない。


もし推しくんを劇場で観てみたい、気になる作品がある。そう言われた時は、きちんとマナーを守って観劇できる年齢であれば一緒に行ってみたいな~というほのかな夢は持っています。夢をみるくらい自由だもの。ただ目立つことは目立つので、普通以上にマナーはしっかりしないといけないし、それこそ推しくんのおたくは~みたいに思われるのは絶対に嫌なので、かなり厳しいチェックラインをクリアした場合のみ。そう考えると実現しないかな~という気もします。5年とか10年後の話なので、その頃はたして推しくんはどんな道を歩んでいるのか…。

 

せっかく親がおたくなんだから

子どもたちの「好き」は否定せずに接していきたいというのが、私の育児におけるひとつの目標です。「それはまだはやい」「教育上よくない」「そんなことより勉強しなさい」どんな言葉や理由であれ、好きという気持ちを否定されるのは悲しいものです。


私は好きなことをこれだけ好きに追いかけている、いわゆるおたくです。せっかくそんな親の元へ産まれてきてくれたのだから、好きなものを好きといえる環境、言っても否定されない居場所、というものをつくれるようにしたいと思っています。ザ・理想論!どこまで有言実行できるかは、これからの私に乞うご期待です。

 

若手俳優の話どこいった!?ただの育児の話だ!!


今日もいい推しごとを!!おしまい!!

ミスマッチが交差するとき私はそこで立ちすくむ〜おたくと育児の狭間〜

ふと立ち止まって周りを見渡すと、自分のこの趣味がひどくいびつなものに感じられる瞬間がある。推しくんの現場が数カ月ぶりに途切れたいま、まさにそうなっているので、備忘録をかねて書いておく。
読んでそう楽しいものではないかもしれません。すみません。先に謝っておこう、そうしよう。

 

応援は孤独である

私の趣味は、推しくんを応援することだ。

推しと呼んでいる“人”に対してアクションを起こしている、という点で対:人の趣味ではあるけれど、私にとって推しくんはたしかに人ではあるが、対人関係に含まれるような類のそれではない。
推しくんを神聖視しているとか、そういうわけではない。あくまで、推しくんはその名前をまとって舞台の上や映像のなか、CDのなかに存在しているがゆえに“推しくん”であって、私にとってはそれ以上でもそれ以下でもない、ということ。


推しくんの名前で投稿されるSNSや、体温を感じる距離に行ける接触の現場には、沸く。すごく沸く。だけどそれは、“推しくん”を身近に感じられるテーマパークを楽しんでいるのであって、そこにいるキャラからきぐるみを剥ぎ取って素顔を見たいわけではない。

 

理性ではこんなふうに推しくんを捉えて、応援している。だけど、ふとした瞬間、とても心が冷える。血の通う人を応援しているし、視線の先にはいつも眩しくいきいきと真摯に仕事に取り組む推しくんがいる。だけど、こちらとあちらは別世界だから、暖を取るためには私自身が熱量を上げていかなくてはならない。どんな素敵なお芝居もパフォーマンスも、受け取る側のこちらの心に薪をくべて、いつでも発火オッケー!とアイドリングしておかなくては、いざ受け取ったときにちゃんと受け取れない気がしてしまう。だから備える。備えて、受け取って、心が熱くなって、舞い上がって。それを繰り返す。

 

備えるだけのパワーが湧いてこないときは、すっとどこか寂しくなってしまう。
人を応援している行為なのに、ひどく孤独だ。そう思ってしまう。
推しくんは、孤独の代償に、推しくんを応援しているからこそ見られる新しい景色をみせてくれる。おたく冥利に尽きると思う。


でも、冷静に考えてしまうと、推しくんは仕事をひとつひとつ堅実にこなしているだけであって、それに対して「新しい景色」をみせてもらったと、こちらが勝手にあれこれと夢をつめこんでいるだけだ。(安くない値段を出しているから、付加価値を無意識にくっつけてメリットを感じようとしているというのも正直否めない)

 

推しくんが、表現者としてなにかを発信して、こちら側で受け取りいろんな感情をもらう。
図式としてはとてもきれいだし、多分これが私の理想。だから、現状がベスト。ベストだと分かっているのに、逆説の接続詞をつなげてしまいそうになる自分がいやになる。ベストなんだから、これ以上は目指しようがないのに。

 

選択の末の孤独

上記は、私の強欲さから生まれる現実と感情のミスマッチなんだと思う。
もう1点、物理的にというべきか、どうしようもできないことに対して孤独感を抱えているのも、こんな風に考えてしまう要因なんだろう。


自分で好きでやっていることだから、すべて自業自得であるというのは重々承知している。家庭環境のことなので、本当に言っても仕方がないこと。でも吐き出してしまいたい。(いちおたくの家庭の事情など読みたくない!という人はこの先の魔境を覗かず、最後の見出しまで飛ぶかそっと閉じてください)

 

自分の現在の立ち位置は、いわゆるリアルなママ同士の輪とも、茶の間なおたくママ達とのスタンスとも大きく違っている。ママであり、おたく。どちらの肩書きもあるくせに、どちらにも属せていない。属せているという実感がない。


母数の多い世界ならまだしも、ここは辺境の若手俳優村。きっと探せばいるんだろうけど、まだ私は見つけられていない。ゆえに、勝手に悲劇のヒロインぶって孤独を感じている。


この立場は、現場ではもっと異色だ。少なくとも、舞台の前に若いファン層が多いコンテンツで名前を広げた推しくん界隈では、笑っちゃうほど浮く。強めのメンタルで生きながらえているけど、身だしなみにも本気で最低限しか割く時間がないし、経年劣化と出産による劣化はいかんせんどうしようもない(努力はしてはいるけども)。現場前にチャリ爆走で送迎している日もあるくらいだ。自宅でじっとしてろとどこかで悪口を言われているかもしれない。多分言われている。

 

ままとおたくの間で、どちらに属することも、理解されることもないまま、ふわふわとしている。
おたくな私は、自分のお金と都合で好きなように現場を入れられるおたくが妬ましい。
ままな私は、自分の欲望のために茶の間になれずなんとか現場に行こうとする自分が心底滑稽で恥ずかしい。

 

狭間の生き物には苦しみが伴う。チケットが急遽紙くずになるリスクは何倍も抱えている。そこをクリアして無事現場に行っても、本当にこれで良かったのかとひとり葛藤する。

自分で決めたことだから、責任は私にしかない。基本的には頭空っぽでおたくをしているが、本当にふと、魔がさすとこうなってしまう。これだけ欲張りに、思い描く人生をまっとうしているのに。最近チケ運がないのは、こういうところがだめなのかもしれない。

 

おわりは「やっぱり推しくんが好き」

私と推しくんの関係性について、そして自分の環境について、ミスマッチとミスマッチが重なり合って、たまにしんどくなる。しんどいけど、「推しくん好き!応援したい!」という解に収束するので、やっぱり推しと呼べる存在がいるってすごいことだと思う。

 

だから、結婚とか出産に限らず、環境の変化とかでおたく続けられるかな?って思うことがあっても、私は限界まで挑戦することをおすすめする。老婆心、老婆心(ファッションばばあは本当にいい加減にしてくれ、がちなばばあに失礼だよ、25でばばあとか鼻で笑うのでやめて頂きたい)

 

依存ではなく生きがいとして、おたくを続けるという選択肢は、自分の首を締めてくることもあるけど、それ以上に私は生きている、生かされている(テニミュFinalのリョーマのあの曲をBGMに流してください)

 

いずれ破綻するであろう現状のおたくライフ。もうだめだ!続けられない!そう思う瞬間まで、悔いがないように推しくんを応援するために、これからも現場に行きたい。さあ、そろそろ心にくべる薪をひろいにいこうかな。推しくん、ツイートツイートォォ!!!

初心に立ち返ろうキャンペーン『テニミュ青学vs立海』

テニス懐古厨の1stシーズンおばちゃんが、この前とっっっても久々にテニミュに行ってきたよ!!!そうしたら、忘れていたきらめきを思い出したよ、という記事です。

 

久しぶりというのがどれくらい久しぶりかというと、年単位で久しぶりでした。そして思ったんです、「テニスって楽しいじゃん!!!」。そうだね、リョーマくん、私は一番大切な気持ちを青年館かどこかに落としてきてしまったことに気付いたよ。

大好きだからもっとうまくなりたい、つらい練習や試合もあるけれど、最後は楽しい気持ちが一番大切だよね。

推しくんを応援するのも一緒だ。大好きだから、もっと知りたくてもどかしいことも多くて、だからつらいこともあるけれど、やっぱり最後は楽しまないとだめだよね。応援した先に、輝く推しくんとか、夢を叶える推しくんの姿を見て、そんな彼を応援してきたこと、これからも応援できることを楽しいって思えたほうが、きっといいんだよね。私もいつか天衣無縫の極みにたどりつきたいよ。いまはまだ時々五感を奪われて真っ暗闇に落ちるときもあるけど。やっぱり最後は楽しくて笑っていたい。

この作品が教えてくれる哲学は、テニスやスポーツにかぎらず、私の生きる上での大事な指針となっています。ありがとう、原作者という名の神様。

 

観劇の帰り道、こんなことを考えていました。それはきっと、この作品自体がそれだけ人の心を動かすパワーを持っているっていうことはもちろんだけど、私の若手俳優おたくの原点でもあるからなんだと思う。まさに原点回帰、そんな気持ちになる3時間弱の観劇でした。

 

凱旋公演ということもあるだろうとは思うけれど、ざっくりと若手俳優とくくられる人たちの層の厚さが、ここ10年くらい年々厚くなっていってるんだろうなと思わざるをえない出来栄えでした。もちろん、1stおばちゃんなので、当時の作品も最高傑作だって思っているし、それらがあるから今があるので、どちらをどうとか評価したいわけではなくて、単純に「うめ~~~~~~」と思ったんです。個人的に少し解せないキャラ解釈のもとにつくられた曲があって、それだけはアレでしたが、でもやっぱりこれだけ続いてきたコンテンツの歴史を感じた気がします。

久々に観るテニミュに少し不安もあったんですが、M1で吹っ飛びました。そしてM2で上からアイツが降りてきたことにもう半泣きで、いちいち泣いていました。久々だったので、試合展開すらも新鮮に楽しめて、結末知っていても手に汗握らせてくれるこの感覚だよ~~~!!!ってなりました(語彙力)

 

初心に立ち返るって大事ですね。

テニミュ観てから、私は推しくんフォルダを遡ってばかりです。どの瞬間の推しくんも最高に好きですが、応援し始めてから変わってない部分、変わった部分(かっこよくなりすぎ)など振り返って、しみじみとこれからもたくさん応援したいな~という気持ちになっています。テニミュありがとう。

 

みなさんの初心に立ち返れる作品ってなんでしょうか?一緒に初心思い出しキャンペーンしましょう!!!